こんな悩みを解決できる記事になっています!
これから解説する『優秀な教員の転職後のキャリア』を読めば、転職の道筋が見えてきますよ。
「どうして優秀な教員が辞めるか分からない」というあなたの疑問を解消することができますよ。
記事前半では「教員の離職者数」を、後半では「学校現場の未来」をかなり具体的に解説します。
勤続10年の元小学校教師の私が自身の経験をふまえて徹底的に考察しますので、じっくり読み込んでくださいね!
教員の離職者数が過去最多
読売新聞オンラインの記事に書かれている、2021年度に離職した教員数のデータをまとめました。
文科省が公表した学校教員統計調査の調査結果がもとになっています。
- 公立小学校 14,973人
- 公立中学校 8,448人
- 公立高校 5,580人
離職の理由と割合は以下の通りです。
- 定年退職 53%
- 転職 14%
- 家庭の事情 13%
- 病気 9%
- 死亡 1%
- 職務上の問題 1%
- 大学等入学 1%
- その他 13%
概算ですが、このような結果になっています。
定年退職の割合が半数を超えていますが、次に多いのは転職を理由にした退職。
つまり、家庭の事情や病気(精神疾患)などのやむを得ない理由ではなく、新たな挑戦をするために教員を退職している人が多いということです。
私の周りでも転職を理由に教員を辞めた教員はたくさんいますが、なぜかみんな優秀な人ばかり。
どうして優秀な教員が辞めていくのでしょうか。
小学校教員を10年続け、たくさんの退職者を見てきた私が考察していきます。
優秀な教員ほど辞めてしまう理由9選
これから紹介する理由は、優秀な教員だからこその理由になっています。
あなたの周りの退職者はどうだったか、思い出しながら読み進めてくださいね。
将来性のなさに気付いてしまう
教員という仕事の将来性のなさに気づいてしまいます。
優秀な教員ほど、観察力があるからです。
これ以上の成長を見込めない…
公務員だけど安定しているとは言えない…
教員は体力勝負。
若いうちは馬力でなんとかなるけど、定年までこの仕事続けられるか不安になってしまいます。
がんばって授業力をあげたところで、給与は増えません。
そもそも、何の基準で「授業力がある」と判断されるのでしょうか。
成長が分かりにくい職種ですよね。
身分保証や福利厚生を考えると確かに安定しているのですが、精神疾患の増加や「定額働かせ放題」の現状を考えると、安定しているとはとても言えないのです。
だったら、ずっと続けられるオフィスワークやフリーランスに…
給料は下がってもいいから人間らしく働ける会社に…
と転職を考える人が多くなるのです。
やりたいことができない
やりたいことができず、もどかしさを感じてしまうこともあります。
やりたいことと、学校の伝統との間で悩んでしまうからです。
優秀な教員はアイデアもどんどん出てくるし、効率よく仕事をしようとしますが、
学校の伝統や、ベテランの先生のやり方に合わせなければならないこともあり、つらくなってしまうんです。
自分ならもっと効率よくできるのに…
仕事が増える
優秀な教員ほど、仕事が増えてしまいます。
仕事が早いので、負担が大きい仕事を任されてしまうからです。
私の仲良しの教員はみんな優秀でしたので、体育主任や特活主任など、負担が大きい分掌の担当になっていました。
優秀であるがゆえに、難しいクラスの担任でもありました。
毎日朝早くから夜遅くまで仕事をしてさらに管理職から評価されていたのです。
今でこそ残業する人は仕事ができないなどと言われますが、当時は残業する教員が評価されたのです。
それに、体育主任や特活主任はどんなに優秀な人でも残業しないと回せない仕事量ですよね…
学校経営の問題なので一教員に改善できるものではありません。
しかし、この体制をなんとかしないと、優秀な教員はさらにいなくなってしまうでしょう。
簡単に転職できる
優秀な教員は、簡単に転職できます。
学校以外でも活躍できるからです。
転職活動も難なくクリア。ヘッドハンティングされることもあります。
先ほど紹介した優秀な教員たちはその後どうなったかと言うと…
体育主任をやっていた人は地元に帰って不登校支援事業を立ち上げましたし、
特活主任は大学時代の友人に誘われベンチャー企業の副社長。
特別支援学級の学年主任をしていた同僚はICT関係が得意だったので、IT企業に転職し、SEの勉強をしながら個人で教材を作って稼いでいます。
優秀だから他の業界でも余裕で活躍できるんですよね。
私は特に優秀ではありませんが
優秀な教員は簡単に転職できます。
学校の人手不足を解消するためには、この層を逃してはいけないはずなんですが…
管理職(昇進)に魅力を感じない
管理職になることは、教員にとって全く魅力的じゃないんです。
仕事も増えるし、その割に管理職手当少ないし…
一般企業では、出世競争があり、管理職を目指す人も多くいます。一般社員と管理職とでは、給料にかなりの差があります。
学校現場では、管理職は手を挙げればなれる時代とまで言われています。
私の先輩(38歳で教務主任)は35歳の頃から毎年、副校長試験を受けろと言われ続けていたそうです。そして、断り続けていたそうです。
管理職のなり手がいないのって学校くらいじゃないですかね?
管理職になるということが、もっと魅力的になるとよいのですが…
挑戦し続けたい
挑戦し続けたいと思う人も多いです。
教員の仕事は、ある意味ではルーティンワークだからです。
しかしここで誰もが思いとどまるポイントがあります。
教員免許しか持ってないし、自分にできる仕事って他にあるのかな?
たくさんあります!
私は教員を辞めて、民間企業の人事部、個人でブロガーとライターをしています。三刀流です!
転職するとき、教員免許を活かした仕事も考えましたが、新しいことに挑戦したいという思いが強く、結局三刀流になりました。
教員以外の仕事に挑戦したい人は、転職サイトに登録し、どんな仕事があるのか見てみてくださいね。
教員の仕事がブラックすぎる
教員の労働環境は、日本でもトップクラスのブラック環境です。
- やってもやっても終わらない仕事
- さらに増える仕事
- 朝早くから夜遅くまで
- 休憩なし
- トイレにも行けない
- 施設が汚い
- 人間関係が難しい
- 心を壊す人が多い
今どきこんなブラック環境ありません!
Xにも、教員の悲痛な叫びが…
毎年のように、過労や精神を病んだ教員の悲しいニュースを見るのも、ブラックすぎる環境が原因です。
教員の過酷な労働環境、なんとかしないとますます教員が辞めていき、さらに過酷になることは目に見えています。
現場でがんばっている先生たちのためにも、すぐに改善されることを願うばかりです。
副業の手続きが面倒
副業がやりにくいという点も、優秀な教員が辞めていく一因になっています。
公務員である教員の副業申請は、結構面倒な手続きが多いからです。
それでも私は副業推奨派。
私の肌感ですが、優秀な人ほど投資や副業をしている印象です。
内容にも制限がかかるため、やりたい副業ができない場合もあります。
だったら辞めて、副業OKな企業に転職しようかな!
と思ってしまいますよね。
非効率な現場に耐えられない
学校現場はとにかく非効率!
もっと効率よくできるのに!
と思っても、それを許してくれない学校の伝統。
ちょっと、耐えられません…
辞めた後の教員はどこで活躍しているのか
私の周りで教員を辞めた人はどこで活躍しているかまとめました!
- 地元で不登校支援事業を立ち上げる
- ベンチャー企業の副社長
- SEに転身
- 不動産投資に全振り
- 自作教材販売
- 教科書会社からヘッドハンティング
不思議なことに、塾や家庭教師など、教員のスキルを活かした仕事に転職した人が意外と少ないんです。
個人的には大賛成。
教員の経験を活かして再就職するのもいいけど、せっかくなら新しいことに挑戦しましょう!
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3か月でエンジニアって、研修はかなり大変そう。
未経験から3か月でエンジニアの基礎を叩き込んでくれるという点では、決して楽な研修ではないです。
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そもそも、エンジニアは常に勉強が必要な仕事ですしね。
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教員がいなくなる?学校現場の未来
近い未来、学校から先生がいなくなると予想しています。
そう考える理由は3つ
- 定年退職
- ミドル世代の転職
- 若者の教員離れ
現時点でも、たくさんの学校で欠員が出ていることを、NHK NEWS「小中学校の教員不足“欠員出ている”半数超える 専門家ら調査」の記事が報じています。
文科省令和元年度学校教員統計調査(確定値)の公表についてによると、
公立小学校において、50〜60歳の教員の割合は約30%(令和元年度)。
この人たちが10年以内に退職してしまいます。
彼らは大ベテランなので、この層が退職するのは学校としても痛手…。
また、ミドル世代は、どんどん転職してしまいます。
私も10年続けた教員を32歳で辞めました。
実際辞めたら幸せ過ぎて…
若者の教員離れも問題になっていますよね。
朝日新聞デジタルの記事によると、
学校の先生が足りず、このままでは子どもたちの学びに大きな支障が出る。文部科学省の初めての調査で、そんな危うい状況が全国に広がっていることがわかった。
背景にあるのは若者の教員離れだ。原因は様々だが、長時間労働などの厳しい職場環境が報じられ、社会問題化したことが大きい。
仕事に魅力を感じて教職を志す人が増えるように、国、自治体、学校が協力して対策を強める必要がある。
ぜひ対策を強めて欲しいですね。
この間あった話
私は民間企業で新卒の採用担当をしています。
先日1人の学生の面接をしたのですが、履歴書を見ると、彼は教育学部在学中で、教員免許も取得予定だとわかりました。
どうしてIT企業を受けたのですか?
先生にはならないんですか?
もともとは先生になりたくて教育学部に入りましたが、教育実習に行って、やっぱり自分には向いていないと思いました。
詳しく話を聞いてみると、
- 実績が数字で表れないため成長を実感できない
- 基本的には同じ仕事の繰り返し
私が10年かけて気付いたことを、教育実習の3週間で気付いた学生。めちゃくちゃ優秀…
優秀な教員が辞めていくと、残ったメンバーでなんとか回していかなければなりません。
1人当たりの負担は大きくなり、つぶれてしまう人も出でくるでしょう。
ブラックなイメージはニュースやSNSで拡散。なり手もいなくなるでしょう。
実際、私が10年前に採用試験を受けた時の倍率は12倍でしたが、同じ自治体、校種の2024年度採用の倍率は2.3倍でした。
誰でもなれるね。
学校崩壊はすぐそこまで迫ってきているのです。
と言っていたら、いよいよ教員採用試験の定員割れがニュースになっていました。
新潟県では、ついに中学・高校の国語で、定員割れが起こっています。
出願者が全員受験して全員合格したとしても充足率50%以下。
優秀な教員が辞めたら、残った私たちはどうすればいいの?
いつでも辞められる準備をするべきです。
少し冷たく聞こえるかも知れませんが、あなたもすぐに辞められる準備をするべきです。
想像してください。
現状でも教員が足りず仕事量が膨大なのに、教員が減れば、あなたの負担はさらに増えます。
たえられますか?
教員は責任感が強いので、自分が辞めた後の学校運営のことを心配するでしょう。
しかし、学校運営をどうするかは管理職が考えることであり、あなたが気にする必要はありません。
あなたは自分と家族が幸せになれる環境を探すべきです。
大きく分けると、負担を減らして教員を続けるか転職するかの二択です。
具体的には、
それぞれ関連記事にとべるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まとめ
- 教員の離職率が過去最多
- 優秀な教員が辞める背景には、アップデートされない学校の現状がある
- 転職後の教員は、他業界でバリバリ働いている
自分の人生を決めるのは自分です。
この記事が、教員のあなたが今後のキャリアを考えるきっかけになればうれしいです。
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