こんな悩みを解決できる記事になっています!
教員のあなたは、きっと共感してくれると思います。
記事前半では「教員の仕事がバカバカしい理由」を、後半では「教員の仕事がバカバカしく思えたらするべきこと」をかなり具体的に解説します。
勤続10年の元小学校教員の私が感じていたことも赤裸々に語りますので、じっくり読み込んでくださいね!
教員の仕事がバカバカしい理由
がんばっても報われない
教員の仕事は報われないと感じている人が多いです。
教員の仕事は成果が出るまで時間がかかるからです。
授業をするためには教材研究が欠かせませんよね。
時間をかけて教材研究をし、授業内容や進め方を考え、教材を作って、やっと1つの授業ができます。
子どもたちに分かりやすく伝えるために様々な工夫をして、楽しい授業を作ろうとするでしょう。
しかし、授業がどれだけ素晴らしくても、子どもの学力がすぐに上がるわけではありません。
渾身の授業を作っても、子どもには全く響かない場合もあるし、話を聞かない子もいます。
私が教員だったころ、かなり時間をかけて作った自作のプリントの裏に子どもが下品な落書きをして、めちゃくちゃ指導したことがありました。
児童指導も、すぐに効果が出るものではありません。
友達との関わりが難しい子に対しては繰り返し指導が必要ですし、改善されない場合もあります。
2時間かけて指導しても、指導が終わった瞬間トラブルを起こす子もいます(実体験です)。
この2時間は何だったの…?
報われないこと、他にもたくさんあります。
- 最善を尽くして準備しても、別方向から訳の分からないクレームがくる
- 学校評価アンケートに好き放題書かれる
- 自分より明らかに仕事してない人の方が高給
- 成績の所見を一生懸命書いたのに、保護者はAの数しか見ていない
このようなことが続けば、どんなにやる気のある人でも「報われない…」と感じてしまうでしょう。
どれだけ残業しても残業代が出ない
教員は、残業時間に応じた残業代が支給されません。
給特法により、教員の残業代は定額と決められているからです。
給特法とは、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の略で、公立学校の教育職員の給与や労働条件を定めた法律です。
つまり、残業してもしなくても、基本給の4%をもらえる制度。
定時あがりできたら儲かりますが、実情そのような教員はいません。
基本給30万円の人の場合、4%は12000円。つまり、月12000円でどれだけ残業させてもいいよ!という話なんです!
2024年4月13日、半世紀以上変わらなかった給特法に動きがありました。
教職調整額が、4%から10%に引き上がるかも知れないというニュースが飛び込んできたのです。
NHKニュースの記事の一部を引用します。
教員の給与のあり方や働き方改革を議論してきた中教審の特別部会が、教員の月給を上乗せする代わりに残業代を支払わない現在の枠組みは維持した上で、半世紀ぶりに上乗せ分を引き上げ現在の4%から10%以上とすることを、素案に盛り込む方向であることがわかりました。
NHKニュース「教員給与上乗せ 10%以上に引き上げの案盛り込みへ 中教審部会」より引用
さらに、文科省は2024年8月21日、教職調整額を13%に引き上げる方針であることを公開しました。
読売新聞オンラインの記事を一部引用します。
残業代の代わりに一律支給されている「教職調整額」を、基本給の4%から13%に引き上げる方針で、実現すれば約50年ぶりの改定となる。教員のなり手不足が深刻化していることを踏まえ、文科省は処遇改善を図り、人材の確保につなげたい考えだ。
読売新聞オンライン「教員の「残業代」3倍に増額へ、基本給の13%に引き上げの方針…実現なら50年ぶり改定」より引用
つまり、
ということです。
3倍以上?
すごいじゃん!
ちょっと待ってください。
3.25倍という数字だけ見ると、大きく変わったように思いますが、
基本給が30万円の教員の場合で考えてみると、
- 4%→12000円
- 13%→39000円
教職調整額39000円で「定額働かせ放題」なのは変わりません。
教員の平均残業時間は50時間なのに、調整額39000円しかもらえないんです。
時給換算すると、
時給780円…
若い先生であれば基本給が少ないので、2万円程度(時給400円)で永遠に働かされていまいます。
こんなにバカバカしい話ありますか?
高校生のバイトでも、もっといい給料もらっています。
私が恐れているのは、
教職調整額増やしたんだから
仕事減らす必要ないよね。
となること。
そして、基本給を減らされるということも考えられます。
日本教育新聞の記事でも、教給特法そのものを撤廃することを求める現役教員が取り上げられていました。
教員の働き方改革や処遇改善策を盛り込んだ中央教育審議会答申のとりまとめに当たって、現役教員や研究者らが27日、記者会見を開いた。中教審の教職調整額の増額の方針を批判。教員給与特別措置法(給特法)を廃止して残業代を支払うよう改めて訴えた上で、調整額の引き上げに際して基本給が引き下げられることがないように求めた。会見には現役高校教員の西村祐二さんら4人が出席した。西村さんは「調整額を10%にしても13%にしても残業は減らない」と指摘。残業を減らすために抜本的な給特法の改廃を改めて訴えた。
日本教育新聞『「調整額増えても仕事は減らない」 現役教員らが会見』より引用
現場の先生はさらに苦しくならないとよいのですが…
目的不明の調査・提出書類が多い
学校はとにかく調査が多いです。
文科省、教育委員会、研究会など、多くの団体から調査依頼がきます。
教員が答えるものもあれば、子どもたちにやらせる必要があるものもあります。
低学年だと説明に時間がかかるため、調査だけで授業1時間使ってしまうんです!
調査結果を活用し、何かを改善するならよいのですが、多分やりっぱなし。
経験上、その調査がどのように活かされたのか公開されているのを見たことがありません。
何のために調査してるんですか?
私の経験
私は国語主任と図書主任を兼任していました。
「読書生活に関するアンケート」など様々な調査が届きましたが、実施必須のもの以外はすぐに捨てました。
自分の権限で削れる部分は削る!
また、教員は提出書類が多過ぎます。
研修を受けたら報告書は必須です。
初任研、2年次研、3年次研、経験年数が増えてたらリーダー研やマネジメント研など…
読まれているのかも分からないし、フィードバックを受けられるわけでもありません。
私はこうしていました
初任研や年次研の報告書は、1年分のフォーマットが4月にまとめて配布されました。
6月に研修に行くのであれば、6月分のフォーマットを印刷、持参し、研修中に記入。
研修のときに講師が話したことや資料に書いてあることを、その場で報告書形式で書いてしまえばいいんです。
そうすれば、後日学校のPCで打ち込むだけで報告書が完成します。
研修の内容を思い出しながら報告書を書くのはかなり時間がかかりますが、今ご紹介したやり方なら、作業時間を節約できますよ!
とはいえ、目的不明の調査や、読まれているか分からない報告書に時間を費やすなんて、バカバカしいですね。
教育のプロが素人の言いなり
教員は教育のプロであるにも関わらず、実際は素人である保護者や地域の人の顔色を伺っています。
一度関係がこじれたら再構築はかなり難しく、こちらが折れた方が楽だからです。
その結果、保護者や地域の人の言いなりになってしまうのです。
すると保護者の要求はどんどんエスカレートし、地域のおじいちゃんが校長室に入り浸るなんて現象も…。
バカバカしくてやってられません。
教員の仕事がバカバカしく思えたらするべきこと
給料をもらうためだと割り切る
心がだいぶ楽になると思います。
あなたは何のために教員をしていますか?
クラスの子どものため!
と答えたあなたは素晴らしい教員です。
でも考えてみてください。
給料もらえなくても、クラスの子どものために教員という仕事を続けられますか?
おそらくほとんどの人が「いいえ」と答えるでしょう。
ちなみに私は、高級美容液を買うために仕事をがんばっていました。
仕事は、自分や家族の幸せな生活のためにするものだと思っています。
教員の仕事がバカバカしくても、我慢料をもらえると思えば、なんとかモチベーションを保てますよ。
学校にも子どもにも期待しない
その期待はほぼ外れるので、がっかりするだけだからです。
保護者からクレーム来ても、学校が守ってくれる!
いいえ、誰も守ってくれません。
働き方改革が実現して、人間らしく働けるようになるはず!
いいえ、少なくともあと10年は実現しないと思います。
これだけ指導したんだから、もうトラブル起こさないよね。
いいえ、指導が終わった瞬間、またトラブル起こします。
期待するだけ無駄です。
期待するのではなく、予防と対策を徹底的に考えた方が、ずっと楽に働けますよ。
60点を取れればいいと考える
ゴールのない仕事だからです。
「もっといい授業をしよう!」と思えば改善点はいくらでも出てきます。
でも、完璧な授業をするのは不可能だし、それを子どもが求めていないかも知れません。
案外、子どもは完璧な授業中より適度に気を抜ける授業を求めていたりします。
事務作業においても、1時間をかけて100点のものを作るより、60点のものを短時間で作る方がずっといいんです。
仕事が100%残っていたとしたら、60%だけ終わらせて、あとは明日やる!でいいんです。
私の経験上、100点を目指してがんばっていた先生は、どこかで辛くなって休職に追い込まれています。
肩の力を抜いて、60点の仕事をゆるく続けましょう。
バカバカしくても辞められないときの対処法
教員の仕事がバカバカしくてもう辞めたい!
でもすぐには辞められない…
このように感じている人は多いです。
すぐに辞められるものでもないですし、教員の給料はいいのも事実。
教員を辞めずに気持ちをおさめる方法をご紹介します。
副業や投資をして収入源を確保する
教員の給料以外の収入源をつくることをおすすめします。
教員の仕事がバカバカしい!辞めてやる!
となったときにも生きていけるようにするためです。
- 教員は給料がいいから
- 教員よりいい給料をもらえる仕事が見つからないから
このような理由で教員を辞められない場合、お金の不安をなくすことで「教員を辞める」という選択肢が出てくるでしょう。
教員から転職した私の月給
私は教員を10年勤めた後、民間企業に転職しましたが、月給はこのように変化しました。
- 教員 10年目:37万円
- 転職後1年目:28万円
確かに、教員よりいい給料を稼ぐのは大変です。
そこで、副業や投資がおすすめなのです。
私の場合、現在会社からの給与は30万円ほどですが、副業で10万円以上稼いでいるので、トータル収入は教員の頃と同じくらいです。
しかも、副業はスキルを積み重ねれば高単価案件を受注できるようになるため、今後の収入はさらに増えていくでしょう。
お金が原因で人生の選択肢を狭めるのはもったいないです!
副業を始めて、お金から自由になりましょう。
転職サイトに登録して他の仕事を見てみる
複数の転職サイト・転職エージェントに登録して、どのような仕事があるのか見てみましょう。
転職サイトに登録するとたくさんのメリットがあります。
- おすすめの仕事の紹介が来る
- 自分に合う会社からスカウトが来る
- 適職診断で向いている仕事が分かる
- 適職診断で活かせるスキルが分かる
- プロのエージェントに相談できる
たいていは無料で使えるので、複数登録しておいて損はないですよ。
実際に私も複数の転職サイトに登録しました。
具体的な会社名を出すと
- リクルートエージェント
- doda
- エン転職
- ミドルの転職
- リクナビNEXT
- Education Career
- パーソルテンプスタッフ
です。
とは言っても全てを使いこなしていたわけではありません。
主にリクルートエージェントとdodaを使って転職活動を行い、その他のサイトは情報収集用や、dodaにない求人を探すために使っていました。
すぐに転職するつもりはなくても、情報収集をすることで選択肢が広がりますよ。
負担を減らした働き方を工夫する
負担を減らす工夫をしましょう。
国や自治体の働き方改革を待っても意味がないからです。
一人働き方改革を実践し、少しでも残業しなくて済む環境を手に入れてください!
実際に私が実践していた「一人働き方改革」は6つあります。
- 教材を作って何度も使えるようにしよう
- 明日でいい仕事は明日やろう
- 一人に負担がかかる仕事を「やります!」と言わない
- PCを使う仕事以外は教室で済ませよう
- 教科担任制を提案しよう
- 児童指導事案が発生したら必ず学年主任に報告
こちらの記事に詳しくまとめましたので、ぜひ読んで実践してみてください!
私はこのやり方を使って、月の残業時間を20時間以内におさえていました!すぐに使えるものばかりですよ!
教員以外の仕事の選択肢
教員の転職後のキャリアは2パターン。
- 教員の知識や経験を活かせる仕事
- 未経験から新しいスキルを手に入れる仕事
例えば、
- 教材開発
- 塾講師
- 家庭教師
- オンライン家庭教師
- 放課後児童指導員
- 一般事務
- 動画編集
- ITエンジニア
- ブログ
- Webライター
具体的な仕事内容とメリット・デメリットについては、こちらの記事で解説しています。
結局、どっちの仕事を選んだらいいの?
実際私は、教員から未経験でIT企業の人事部に転職できましたし、元同僚の教員たちも未経験で別の仕事を始めました。
教員免許しか持っていないからといって仕事を限定するのではなく、未経験からでも挑戦していく気持ちが大切ですよ!
まとめ
- バカバカしい状況は変わらない。マインドを変えよう
- 教員以外の選択肢も考えよう
一度きりの人生です。後悔のない選択をしてください。
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