こんな悩みを解決できる記事になっています!
これからご紹介する『教員を辞めたいときの対処法』を意識すれば、向いてないと思っても仕事だと割り切ることができるようになります。
「自分は教員に向いていないのかな」「辞めた方がいいのかな」と迷っているあなたの不安を解消することができますよ。
記事前半では「教員向いてないと多くの人が感じる瞬間」を、後半では「教員からの転職におすすめな仕事」をかなり具体的に解説します。
勤続10年の元小学校教師の私が実際に転職した体験談も赤裸々に語りますので、じっくり読み込んでくださいね!
「教員に向いていない」と感じる瞬間20選
多くの人が「教員に向いていない」感じる瞬間をまとめました。
「教員に向いていない」と感じる瞬間は、大きく4つのグループに分かれます。
- 職場環境や労働条件に関するもの
- 仕事そのものに関するもの
- 周囲と比べた自分自身に関するもの
- キャリア形成に関するもの
あなたが感じているポイントはどの分類にあるのか考えながら読んでくださいね。
職場環境や労働条件に関するもの
- 仕事にやりがいを感じられない
- 忙しすぎて対応し切れない
- 勤務時間が長すぎる
- 体調不良でも休めない
- 人間関係のストレスが多すぎる
仕事が多すぎる。
休憩も取れない。
多くの教員が感じていることと思います。
実際、教員の労働時間の長さと精神的苦痛は日本トップクラスだと思います。
文科省が発表した教員勤務実態調査(令和4年度)【速報値】(概要版)では、令和4年の8月・10月・11月に教員の勤務時間の調査をした結果がまとめられています。
なぜ8月に調査した?
という疑問はさておき…
調査によると、
小学校 10時間45分
中学校 11時間01分
高等学校 10時間06分
ちなみに、教員の勤務時間は条例で7時間45分と定められています。
休憩は、労働時間が6時間を超えるなら45分以上、8時間を超えるなら1時間以上と決められています。
教員の在校時間(=勤務時間)は条例で定める勤務時間から3時間もオーバー。もちろんどれだけ残業しても残業代は1万円ほど。
さらに、この時間は休憩もなく働きっぱなし。トラブル対応や保護者対応もバンバン入ってきて精神的ストレスも相当なものです。
この結果、疲れるだけで仕事にやりがいを感じられなくなってしまうのです。
4月にも調査してほしいものです。
仕事そのものに関するもの
- 授業がうまくできない
- 学級経営がうまくできない
- やんちゃな子への対応がうまくできない
- 子どもからの暴言・暴力
- 保護者対応がうまくいかない
- 生徒に対して感情的になってしまった
- 叱るのが苦手
- 子どもが好きでないことに気づいた
クラスが落ち着かない。
子どもをかわいいと思えない。
教員の仕事内容そのものが苦痛になっている可能性もあります。
学級経営や保護者対応などは、その先生のキャラクターやセンスによって向き不向きがあります。仕方のないことなのです。
この場合は、他の仕事を考えてみるのをおすすめします。転職サイトに登録して、どのような仕事があるのか情報収集してみてください。
とは言っても仕事を変えることはすぐに決断できるものではありません。
実際に教員から転職した人の体験談を調べてみるのもよいでしょう。
私は教員から民間企業に転職しました。その時に感じたことや教員との働き方の違いについてまとめた記事もありますので、読んでみてくださいね。
周囲と比べた自分自身に関するもの
- 周りの教員より劣っていると感じた
- 教育に対する熱量の差を感じた
どうして子どものためにそこまでできるの?
私も同じように悩んでいた時期がありました。
でも考えてみてください。
国語が得意な教員もいれば、算数が得意な教員もいる。
運動会の演技指導が上手な教員もいれば、書写指導が上手な教員もいる。
学級経営は得意だけど、学級事務が遅くて机の上はいつもぐちゃぐちゃな教員もいる。
全てを完璧にできる先生なんていません。だから、比べる意味ないですよ。
こう思えるようになって、かなり楽になりました。
キャリア形成に関するもの
- 定年まで働く未来が想像できない
- キャリアアップの道筋が見えない
- 評価制度に不満がある
- 副業ができない
教員はキャリア形成しにくい仕事です。
企業だと、がんばりに応じてキャリアアップ、給料アップできますが、教員は勤続年数に応じて給料が増えていく仕組みだからです。
教諭として採用され、次に給料アップできるのは主幹教諭になったときです。その後副校長、校長と上がっていきます。主幹教諭、副校長、校長には特別手当がつきます。
つまり、教諭の身分のうちはどれだけ仕事をがんばっても特別手当がつきません。
だったらできるだけ仕事しない方がお得…
しかも、主幹教諭になるのは地道にがんばっている教員ではなく、校長へのアピールが上手な教員でした。(少なくとも私の職場は。)
そして、私が教員を辞めた理由の一つに、「定年まで働いている自分を想像できない」というものがありました。
教員のキャリア形成は本当に難しく、がんばっているのに評価してもらえない人を何人も見てきました。
向いてないと感じるのも当然ですね。
「教員に向いていない・辞めたい」と感じたときの対処法
仕事だと割り切る
仕事だと割り切ることが重要です。
教員はよく「子どものため」に働くと言いますが、私はその考えには反対です。
「子どものため」に働くと言っている人に逆に聞きたいのですが
ボランティアでもこの仕事続けられますか?
教員は1つの「仕事」に過ぎません。
「子どものため」ではなく「自分と家族の生活のため」に給与をいただけるから働くんですよね。
仕事は仕事です。嫌なことがあっても割り切って、「我慢料」をもらうと思えばなんとか乗り越えられます。
とにかく休む
仕事が終わったら休んでください。休日も休んでください。
ワークライフバランスという言葉は教員には無縁ですが、仕事とプライベートの時間は区切るべきだからです。
よく、テストの採点や授業プリントのチェックを持ち帰りでやっている先生がいますが、絶対にやめてください。
- 個人情報の持ち出しになる
- 初任の1年間は仮採用なため、特に注意が必要
- 家にまで仕事を持ち込むべきではない
- その仕事が気になって休日を楽しめない
- 結局疲れてやらない
個人情報の持ち出しについては学校によって少しずつ規則は違いますが、ほとんどの学校では校長の許可があれば持ち帰ることができます。でも持ち帰らないでください。
・万が一、帰りの電車で置き忘れたら?
・家で家族やペットが汚したら?
リスクがありすぎます。
個人情報の有無にかかわらず、USBの持ち出しも絶対にやめてください!
あんな小さいもの、どこかで落としたら絶対見つかりません!
あと、持ち帰っても結局やりません(笑)そのまま学校に持って行っての繰り返し。カバンが重くなるだけです。
さらに持ち帰った仕事が気になって休日も楽しめなくなって最悪です。
仕事終わりと休日は、仕事のことは忘れて、休むことに集中しましょう!
好きなことをしてストレス発散
何でもいいのでストレス発散方法を見つけてください!
教員のストレスは異常だからです。発散方法がないといつか爆発します。
私のおすすめのストレス発散法をいくつか紹介します!
- カラオケで熱唱
- ディズニーランドでミッキーと会う
- ネットフリックス×手作りポップコーンで映画館気分
- 1週間分の晩ご飯を作り置き
- ズンバを踊り狂う
- TVerで水曜日のダウンタウンを観る
- 家中のシーツ類を一気に洗濯
- 家庭菜園
多いですね(笑)それほどストレスが多いということです。
あなたも自分なりのストレス解消法を見つけてくださいね!
信頼できる人に相談する
信頼して話せる人がいるなら、あなたの悩みを相談してみましょう。少しでも心が軽くなると思います。
家族、友人、恋人、配偶者、先輩、同僚…
誰でもいいので、話を聞いてもらうと心がすっきりしますよ。
話す相手がいない人や、周りに心配をかけたくない人もいると思います。
1人で悩まないで、ぜひ相談してくださいね。
教員からの転職におすすめの職種5選
教員からの転職は大きく分けて2種類あります。
- 教員の知識や経験を活かせる仕事
- 未経験から新しいスキルを手に入れる仕事
それぞれの職種の具体例と、メリット・デメリットを紹介します。
教員の知識や経験を活かせる仕事
例えば、以下のような職種があります。
- 教材開発
- 塾講師
- 家庭教師
- オンライン家庭教師
- 放課後児童指導員
教員の知識や経験を活かせる仕事を選ぶメリット、デメリットは以下の通りです。
- スムーズに仕事を始められる
- 教科書やテキストをそのまま教えればよい
- 初めから高給を狙える
前提知識があるので、比較的スムーズに仕事か始められます。
教材開発の仕事は、現場での経験を活かせるでしょう。
学校の授業は子どもの主体的・対話的な学びを目的としているのに対し、塾にはテキストがあり、家庭教師・オンライン家庭教師はその子の分からない部分を教えます。
このため、学校での授業よりやりやすいと感じる人も多いのです。
放課後児童指導員の仕事内容は、だいたい想像つくのではないでしょうか。
学校が終わった後の子どもの見守りや宿題を一緒に見てあげることが中心ですので、元教員にとってはやりやすい仕事になります。
教員免許を持っていることにより優遇されることもあるので、初めから高給を狙えるのも嬉しいポイントです。
- 授業の仕方を変えなければならない
- 新しいスキルの勉強かできない
- 望む条件での採用は狭き門
メリットの項でもお話ししましたが、教える目的と内容が変わるので、授業の内容は変えなければなりません。
そして、予習がしにくくなるのもデメリットです。いきなり聞かれて焦るかも知れません。
一生教育に関わっていきたい!という人には関係のない話ですが、教育から離れてみたい人にとっては、新しいスキルの勉強か必要です。
これらの仕事を選ぶと当然ですが、新しいスキルの勉強はできません。
また、教材開発は元教員にとって人気の転職先になりますので、誰でもすぐ入社できるわけではありません。かなり狭き門です。
文系の人は特に難しいと言ってよいでしょう。
私の体験談
私も転職活動中に教材開発会社の求人を読みあさっていましたが、1番多かった求人は「理科の教員免許を持っている人」でした。次に英語、数学と続き、社会は1番求人が少なかったです。
私は国語で探していましたが、求人が少なく教材開発会社への転職はあきらめました。
そして、塾講師や家庭教師の場合
仕事の時間は夕方、夜、土日が中心になることも特徴としてあげられます。対象となる相手が放課後の子どもになるからです。
勤務時間が夜型なのは、人によってメリットにもデメリットにもなりますね。
未経験から新しいスキルを手に入れる仕事
例えば、以下のようなものがあります。
- 一般事務
- 動画編集
- ITエンジニア
- ブログ
- Webライター
未経験から新しいスキルを手に入れる仕事を選ぶメリット、デメリットは以下の通りです。
- 新しいスキルを身につけられる
- 次の転職のとき、自分の市場価値が上げられる
- 未経験でも採用してくれる求人が多い
私が1番のメリットだと思うのが、新しいスキルを手に入れられるということです。
このような言い方は良くないのかも知れませんが、教員免許は転職市場ではほとんど無価値です。
例えば、事務職に転職したら仕事をしながら事務スキルや会計のスキルを身につけることができます。
そうすると、次の転職の際に、
事務3年やりました!
会計ソフト使えるし1人で作業できます!
とアピールすることができます。
そうすると未経験の人よりいい待遇、いい給料で採用されやすくなるのです。
教員免許は教育関係の仕事では優位に働きますが、教育以外の仕事では使えません。
どんなに授業がうまくても意味ないのです。
そもそも、授業かうまいって誰がどのように判断するのでしょうか。
動画編集、エンジニアは現在人手不足であることに加え、今後も絶対必要で重宝されるスキルであるため、今のうちから勉強しておくのはかなりおすすめです。
人手不足なので未経験から教育してくれる会社も多いです。
エンジニアは難しいスキルで勉強に時間がかかりますが、難しいことにこそ挑戦する価値はあると思います!
- スキル習得のための勉強は必須
- 新人と同じ給料からスタート
- 成果が出るまで時間がかかる
当たり前ですが、ゼロから勉強する必要があります。
そのため勉強することが苦痛な人には向いていません。
また、未経験なので基本的には新人と同じ給料からの再スタートになってしまいます。
私は教員10年目のときには月給37万円くらいもらっていましたが、
未経験のエンジニアの求人は、たいていどこも同じくらいの月給で、22万円前後でした。
一気に初任の給料に戻ったみたい…
未経験からのスタートなのでスキルの習得や成果が出るまで時間がかかってしまうのもデメリットです。
家族の生活も支えている人にとっては、少し厳しい現状ですよね。
教員を辞めるときの注意点
年収は一時的に減ることを覚悟する
年収は減ってしまうことは覚悟しておいた方がいいでしょう。
教員としての経験年数が増えるほど、教員と同等の給料をもらえる転職先はなかなかないからです。
(実家の家業を継ぐ、さらに高収入の仕事を紹介してもらっているなどの特別な場合を除きます。)
私の教員10年目の月給と、転職したばかりの月給を見てください。
教員 10年目:37万円
転職後1年目:28万円
私は結婚したことにより家賃を払う必要がなくなったことと、生活費を出さなくてよくなったため、月給が10万円近く減っても生きられる見通しがもてたので、この条件で転職しました。
それぞれの事情に合わせて妥協点を見つけないと、一生転職できません。
現職のうちに副業の準備をしておいて、転職して一時的に収入が減ったときも副業からの収入源を確保することも重要です。
半年は生きていける貯金をつくっておく
自分と家族が半年は生きていける貯金を作ってから辞めましょう。
1つ前の項で話した通り、転職したら一時的に収入が少なくなるからです。
少なくとも半年分の貯金があれば、その間に新たな収入を得る準備や勉強ができます。
年休を使い切る
年休は絶対に使い切ってください!
理由は簡単。もったいないからです!
私は10月に退職を決意したので、冬休みや春休みはフルで年休取得。さらに平日も授業が終わったら年休をとって帰ってました(笑)
他にも、産休や育休、療休、育短などの制度が使える人は、全部使ってから辞めましょう。当然の権利です。
引き継ぎをしっかりしておく
仕事の引き継ぎをしてから辞めましょう。
次の年になって、次の担当者が困ってしまうことはよくあります。
特に小規模校だと、1つの仕事を1人で担当する場合も多いため、担当が異動や退職すると次の担当者が誰にも聞けず困ってしまいます。
私は、自分の担当の仕事については、教わったときに全てマニュアル化していました。
それから、〇月△日にこの作業をした。なども時系列でまとめておきました。自分の仕事にミスや漏れがないようにするという目的で作成していたのです。
この作業マニュアルを次の担当者に渡せばよいだけにしておいたので、引き継ぎといっても「このファイルに全て書いてあります!」で終わりです。
自分のため、次の担当者のため、今からでもマニュアル化することをおすすめします!
まとめ
教員に向いていないと感じるのは、もはや当たり前です。
今回紹介した対処法を、ぜひ試してみてください。
転職に踏み出すのもいいと思いますが、転職せずとも、情報収集するだけでも気分転換になります。
微力ながら転職の相談にものれると思うので、お問い合わせフォームやXのDMにぜひご連絡ください。
現場でがんばるあなたの幸せを願っています!