- 自分のクラスが学級崩壊したらどうしよう…
- 子どもたちをうまく叱れない…
- 学級崩壊させないための方法を知りたい!
この記事にたどりついたあなたは、学級経営で何かしらの悩みをかかえていると思います。
私は小学校で10年働きましたが、学級経営の悩みがなかった年はありませんでした。
学級経営について書かれた本はたくさんあります。私も当時は本を読みあさって、学級崩壊させないために必死でした。
しかし、どの本を読んでも
理論は分かる!
でも、自分の性格やクラスの実態に合っていなくて実践できない!
と感じていました。
おそらく当時の私と同じように、本を読んでも実践につながらず悩んでいる先生も多いことと思います。
特に若いうちは、子どもたちとの関係をうまく築けず、上手に叱れないと感じている先生もいるでしょう。
今回はそのような先生のために、「優しい先生でも規律ある学級を作るポイント」をまとめました。
私の10年間の教員生活で実践してきた内容をもとに、かなり具体的にまとめました。完全にオリジナルです!
学級経営で悩んでいる先生は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
学級崩壊とは
「学級崩壊」という言葉は、ものすごく強烈ですよね。
現場で働く教員であれば、「学級崩壊」は絶対に起こさせなくないものです。
国立教育研究所は、「学級がうまく機能しない状況」のことを、
子どもたちが教室内で勝手な行動をして教師の指導に従わず、授業が成立しないなど、集団教育という学校の機能が成立しない学級の状況が一定期間継続し、学級担任による通常の手法では問題解決ができない状態に立ち至っている場合
と定義しています。
つまり「学級崩壊」とは、子どもたちの行動を担任がおさえられない状態と言いかえられます。
学級の子どもたちの構成
まず、学級を構成する子どもたちの構成からお話をしていきます。
子どもたちは、学級経営という観点で見たときに、「1:1:8」に分類されます。
何かの割合のこと?
- 1割:「先生大好き」層
- 1割:「やんちゃ」層
- 8割:「日和見(ひよりみ)」層
私は10年間小学校で学級担任をしましたが、4月の段階での子どもたちはだいたいこのような割合です。
「先生大好き」層は、いわゆる「優等生」。積極的に授業に参加し、担任に協力してくれるタイプです。
「やんちゃ」層は、「個別対応の必要がある子」の層です。授業中におしゃべりや立ち歩きをしてしまったり、友達とのトラブルが多いタイプです。
そして「日和見」層は、周りの状況を見て、「先生大好き」にも「やんちゃ」にも転ぶ層になります。
「やんちゃ」層の子どもたちをしっかりおさえておくことが大切なの?
実は、学級経営のかぎを握っているのは「日和見」層なんです。
「先生大好き」層の子どもたちを認めつつ、「日和見」層の子どもたちを「やんちゃ」層に変化させないことが何よりも重要なんです。
ですので、本記事でも、「日和見」層を意識した話をしていきますね。
学級崩壊が起こる原因
授業が楽しくないと感じている子がいる
学校で過ごす大半の時間は、授業時間だからです。
授業が楽しくないと、となりの子に話しかけたり、先生の気を引こうとして大声を出したりします。
このようなことが伝染して、授業中ずっとざわざわしてしまうということが起こるのです。
授業が楽しくないと学級が荒れやすいので、
学級で安心して過ごせていない子がいる
学級に対して何か不安があるとき、子どもたちは問題行動を起こすことがあります。
どうにかして友達や先生の気を引こうと考えるからです。
私が過去に指導した事例
Aちゃんに無視されているかも?という悩みを抱えた子が、Bちゃんに意地悪をしてしまう。
特に中学年から高学年の女子によくある事例です。
Aちゃんからのストレスで感じる不安が、Bちゃんへの意地悪という行動に現れてしまっている事例。本当によくあります!
学級は約40人の子どもたちが一緒に生活をする場です。
より多くの子どもたちが安心して過ごせる環境をつくることがめちゃくちゃ重要です!
先生に認められていないと感じている子がいる
先生に認められないと感じた子どもたちは、先生が求めるのと反対の行動をとることがあります。
子どもたちは、なんとかして先生に見てもらいたいと思うからです。
健全な方へ作用すればよいのですが、問題行動として現れることもあるんです。
先生はあなたのことを見ているよ。
いつもがんばっているよね。
と子どもたちに感じさせるような言動を意識してみてくださいね。
優しい先生が学級崩壊を起こしやすい理由
きびしさと優しさのバランスがとれていない
きびしさと優しさのバランスがとれずに学級が落ち着かなくなる場合は結構多いです。
きびしさと優しさのバランスは、ベテランの先生でも結構難しいからです。
優しい先生は、子どもたちにきびしく接することが、どうしてもできないこともあります。
実際、私もそうでした。
子どもたちに嫌われたらどうしようとか、都合悪く保護者に伝わったらどうしようとか考えると、きびしく接するのは勇気がいりますよね。
それに、悪いことをしても叱らない場合、「日和見」層の子どもたちが、
悪いことをしても怒られないんだ。
と勘違いをしてしまい、問題行動が伝染する場合もあります。
どのような場合にきびしく𠮟るべき?
私は普段はできるだけ子どもたちには優しい先生でありたかったのですが、以下の行動をしたときにはきびしく叱っていました。
- 自分や友達のけがにつながるような行動があった
- 自分や友達を傷つけるような言動があった
- 自分や友達の学習の機会をうばう行動があった
- うそをついた
けがにつながるような行動をしたときには許してはいけません。
また、自分や友達を大切にしないのも許してはいけません。
ここはきびしくしておかないと、いじめに発展します。
さらに、授業妨害もきびしく指導しましょう。
しかし、注意しなければならないのは、学習障害や特別な支援が必要な子への対応です。
彼らは必ずしも、授業妨害をしたくてやっているわけではないということは忘れないでください。
このことを常に頭に入れていくことが大切です。
全体に説明したあと、机間指導でその子に個別に支援するなど、気にかけることを忘れないでください。
「日和見」層の子どもたちも、このような先生の行動はしっかり見ています。
先生は勉強が苦手な子にもちゃんと教えてあげているんだ。
と思ってもらえれば、信頼につながり、学級経営がしやすくなりますよ。
きびしさと優しさは、常に意識してみてくださいね。
「ともだち先生」になってしまっている
優しい先生は「ともだち先生」になってしまうことも多いです。
優しい先生は子どもたちにとって、友達のように親しみやすい存在だからです。
わざわざ「先生は友達ではありません!」などと言う必要はないですが、日常生活の中で、区別するように、以下のポイントを意識してみてください。
- 授業中はできれば敬語
- いやなことははっきり「いや」と言う
- 先生同士で話しているときには話しかけないように伝える
いろいろな考えがありますし、子どもの発達段階にもよりますが、私の経験上、少なくとも授業中は敬語を使わせた方が、学級は落ち着いていました。
あと、子どもたちは親しみをこめているつもりで、先生が傷つく言葉を言ってしまうことがあります。
子どもの言うことだし…
と、つい流してしまいがちですが、「それを言われると先生は少し悲しいな。」など伝えてあげるのも指導の一つです。
先生に言っても大丈夫だったから友達に言っても大丈夫!
と、
優しいのはあなたのよさです。
でも、「ともだち先生」にはならないように注意しましょう。
うまく叱れない
優しい先生は、うまく叱れず悩んでいることが多いです。
叱るって、優しい先生にとってはかなり難しいからです。
私も、叱るのは苦手でした。
ですが、叱れない先生は間違いなく子どもから舐められます。(ちょっと言葉が悪いですが)
この先生は何をしても怒らない
と思われてしまうと、学級経営もうまくいきません。
- 大声を出すこと?
- 子どもを恐怖で支配すること?
私は違うと思っています。
少なくとも私はそう思います。
大声を出すことが苦手で叱れないと思っている人も、気づかせるためなら、叱るのもちょっとできそうだと思いませんか。
- どうして先生が話をしているのか
- どうしてあなたの行動がいけないのか
- あなたの行動は周りからどう見えるのか
問いかけて答えさせるということを繰り返していけば、子どもも気付きます。
ただ、突発的に大声で叱らなければならないときもあります。
私の体験談
数年前に、体育のベースボール型ゲームの練習中、バットにボールが当たらなかったことに腹を立て、バットを投げた子がいました。
幸いけが人はいなかったのですが、大事故にもつながる行為だったので、この時ばかりはすぐに大声で叱りました。
自分の瞬発力に驚きました。
このような例外もありますが、基本的には子どもに諭(さと)し、気づかせるのが叱るということです。
さらに、叱らなくてもいい状況を作るのも教員のテクニックです。
この状態を作ることで、叱らずに済むだけでなく、ほめることもできます!
叱るのが苦手な優しい先生は、この方法も試してみてくださいね!
学級崩壊を防ぐための具体的な対策
授業を充実させる
授業は、手を抜かないでください!
子どもたちが最も長い時間を過ごすのは、授業の時間だからです。
経験が浅く、若い先生の学級が荒れやすいのは、授業がつまらないからです。
ですが、若い先生が悪いわけではないことは強調しておきます!
授業は、教科書い書いてある内容をただ教えればよいわけではなく、子どもたちと一緒に作り上げていくものです。
「主体的・対話的で、深い学び」という言葉もありがすが、学習内容を理解するだけなら、塾でも十分です。
担任は授業をするときに、子どもたちの反応や目の動きをよく見る必要がありますが、若い先生にはこのことが難しいです。
じゃあ、経験が浅い自分はどうしたらいいの?
まずは、ベテランの先生の授業を見学に行きましょう!
若い先生とベテランの先生の違いは、こなしてきた授業の回数です!
こんなことを言ったら子どもがこんな反応をした!
教科書にはこう書いてあるけど、子どもにはうまく伝わらなかった。次は別の伝え方をしよう!
など、経験から授業改善をし続けたのがベテランの先生たちです。
ですので、一度授業を見学させてもらって、いいなと思ったポイントを2つ自分の授業にも組み込んでみてくださいね。
業務が忙しすぎて教材研究をしている暇がない…
めちゃくちゃ分かります。
教員は雑務が多すぎて、自分の学級のことや授業準備をする時間が全くとれませんよね。
どの教育書やハウツー本を読んでも、こんなこと言う教員いないと思いますが(笑)
指導書は、その教科の大ベテランの先生たちが、大多数の子どもたちに授業内容を分からせるために書いた本です。
つまり、私たちがどんなに研究しても、どんなに渾身の授業を考えてとしても、指導書にはかなわないということです。
オリジナルの授業を考えても、結局は指導書通りに授業をした方が子どもの理解度は高いことがほとんどです。
時間がないならもうあきらめて、指導書に頼っちゃいましょう!だいぶ楽になりますよ!
授業の中で遊びの時間をとる
これも、おそらくほとんどの先生が言わないことなのですが、授業は遊びましょう!
子どもたちが、遊びの前後にぐっと集中するからです。
さらに、学習に関連する遊びなら、校長にも怒られません(笑)
国語の時間であれば漢字しりとりなどが楽しいですよ!先生クイズなども盛り上がっておすすめです!
やんちゃな子を「敵」にしない
やんちゃな子を「敵」とみなさないことが重要です。
やんちゃな子ほど、味方にすると、学級経営がやりやすくなるからです。
実はやんちゃな子って、先生に認められたい欲が、他の子より強いだけなんです。
でも、やんちゃな子をどうあつかっていいか分からないんです…
私は、やんちゃな子に意図的にお願いごとをすることが多かったです。
お礼を言うためです。
たとえば、
- となりのクラスの先生におつかいをたのむ
- 体育の前に一緒に校庭に行き、準備を手伝ってもらう
などです。
他の先生の所に行かせれば担任以外の先生とも接点をもてるし、ほめてもらえます。
体育の前に一緒に校庭に行けば、ゆっくりおしゃべりもできます。(二人きりはよくないので、必ず複数連れて行くようにしましょう。)
お願いごとをやってくれたら保護者にも報告できます。
やんちゃな子の保護者には、絶対に味方になってもらった方がよいです。
やんちゃな子も、保護者も、決して敵ではありません。
ときには困ることもあると思いますが、人間だれしもすぐには変われません。
根気強くかかわっていきましょう。
最も大事なのは大多数の子どもたちの満足
学級経営で大切なのは、「日和見」層の子どもたちの満足です。
一部の「やんちゃ」層だけでは、学級崩壊は起こりえないからです。
必ず、「日和見」層が「やんちゃ」層に引きずられることによって、全体が落ち着かなくなります。
「やんちゃ」層を抑えるのが重要と思われがちですが、学級の大多数の子どもたちが「楽しい」と思えるような学級を目指していきましょう。
学級崩壊が起こってしまったときの対処法
学年主任や管理職に報告する
すぐに学年主任や先輩教員に報告しましょう。
学級崩壊が起こってしまったら、担任にはどうすることもできないからです。
おそらく、学級崩壊の兆候はあったはずです。
兆候の時点で誰かに助けを求めることも大事ですよ。
ここで勘違いしないで欲しいことをお伝えします。
学級崩壊が起こっても、自分だけのせいだと思わないでください。
- 子どもの精神状態や家庭環境
- 学校のフォロー体制
- 担任の指導力
- 子どもと担任との信頼関係
さまざまなことが重なり合って学級崩壊は起こります。
決して担任の指導力不足だけが原因ではないので、あまり自分を責めないでくださいね。
学級崩壊が起こってしまったら、担任一人で対応するのは無理なので、兆候に気付いた時点ですぐに報告しましょう。
他の先生にも授業をしてもらう
他の先生に、学級に入ってもらった方がよいです。
いろんな先生に子どもたちを見てもらうことが重要だからです。
ただ、後ろから見ていてもらうのはおすすめしません。
子どもたちは賢いので、
自分たちの学級が落ち着かないから他の先生が監視に来ているんだ。
とすぐに気付いてしまいます。
子どもたちは、毎日安全な環境で過ごしたいと考えていますので、学級が落ち着かないと不安になります。
不安が伝染してさらに学級が落ち着かなくなることも考えられますので、他の先生が監視に来ていると思わせることは避けたいところです。
では、どうしたらいいの?
答えは簡単、他の先生に自分の学級で授業をしてもらえばいいんです。
子どもたちも案外喜びますよ。
たまには他の先生とも勉強できて、気分転換にもなるはずです。
あなたはその時間、もう一方のクラスの授業をさせてもらいましょう。
いわゆる、交換授業ですね。
私は毎年、学年の先生に交換授業を提案していました。
私は社会は好きだけど理科は苦手です。
ですので、私が2クラス分の社会を担当して、もう一人の先生が2クラス分の理科を担当するという提案をしました。
学年内教科担任制ですね。
教材研究の時間も半分で済むし、いろんな先生に学級に入ってもらうことが、学級崩壊の予防や対策としてめちゃくちゃ効果的ですよ!
保護者と連携をとる
保護者にはちゃんと報告しましょう。
保護者と一緒に問題を解決するためです。
自分の力不足で学級がうまくいかないと感じていると思いますが、落ち着かない子は家庭での問題を抱えている場合も多いです。
保護者に理解してもらうことでその子への指導もしやすくなりますので、保護者と連携しておくことのメリットはかなり大きいですよ!
思い切って転職を考える
思い切って転職を考えてもよいと思います。
教員をやっていると気付きにくいですが、世の中には教員の他にもあなたにぴったりな仕事はたくさんあるからです。
実際、私は教員から民間企業の人事部に転職しましたが、結論、教員より向いていると実感しています。
教員として培ったスキルは、他の仕事にも流用可能なので、私の他の記事も参考にしながら、あなただけのキャリアについても考えてみてくださいね!
まとめ
- 学級崩壊は担任だけの責任ではない
- 叱ろうと思わず、気づかせるのが重要
- 学級崩壊の予防は、まず授業を充実させよう!
無料の相談も受け付けています。お問い合わせフォームかXのDMに、お気軽にどうぞ。